【1型糖尿病で妊娠】妊娠中の血糖値の変動と血糖コントロール法

こんにちは、KUTANECO です。

1型糖尿病で妊娠すると血糖値の変動がどうなるのか、心配ですよね。

血糖値をコントロールできるのか
無事に出産できるのか
赤ちゃんに影響はないのか

いろいろな心配がよぎって妊娠することに消極的になるかもしれません。

でも大丈夫!

1型糖尿病でも無事に出産した人はたくさんいますし、病院でもしっかり血糖コントロールを考えてくれます!

私も、1型糖尿病に起因するリスクなく、無事に出産できました。

もちろん、「なんとかなる」訳ではないので、自分が頑張らないといけないわけですが、妊娠を自覚すると「赤ちゃんのためにも頑張ろう!」という強い意志が湧いてきます。

不安な面が多いとは思いますが、妊娠を考えている方々への参考になるよう、私自身の経験を共有します。

この記事では、私の経験をもとに

妊娠初期、中期、後期の血糖値の変動を解説するとともに、それに合わせた血糖コントロール法についてお伝えしたいと思います。

なお、この記事の内容は私自身の経験と、通院していた病院の対応をもとに記載しています。ご自身で通院されている病院とは異なる見解もあるかもしれませんので、ご了承ください。

妊娠してからの流れ

私は、妊娠が判明してから下記のように行動しています。

妊娠2ヶ月
妊娠5週:地元の産婦人科で妊娠を確認
妊娠6週:糖尿病内科の通院時に妊娠報告、血糖値を血液で測定し始める

妊娠3ヶ月
妊娠8週:地元の産婦人科で心拍を改めて確認し、通院先の産科宛の紹介状をもらう
妊娠11週:通院先の産科に転院

そもそも私は1型糖尿病で妊娠希望ということで、そういった事例を多く扱っている病院へ通院しています。

【1型糖尿病】病院を変えるときに気を付けること

同じ病院内で、糖尿病内科と産科でからだの状態を連携してもらえるのが安心です。

また、妊娠すると糖尿病内科は月1回の通院から、2週に1回のペースで通院する必要があります(私は妊娠4ヶ月(妊娠13週)から2週に1回のペースに変わりました)。

産科も24週頃から妊婦健診が2週に1回のペースになるので、通院のために有休がすぐなるなるはめに…(ちなみに私は糖尿病内科が2週に1回のペースに変更になったときから、産科も同じペースで通っていました。絶対にそうしないといけないわけではないので、担当医と相談してみましょう)

でも同じ病院で糖尿病内科と産科に通えれば、1日にまとめて診てもらえて、移動の時間も少なくて済むので便利です。

診療においては、疑問に思ったことや確認・質問事項は、各科それぞれに同じ質問をし、両方の観点から見解を求めることで理解を深めていました。

妊娠による血糖値の動きの変化

妊娠すると、これまでとは違った血糖値の動きをします。

正確には、インスリンが効きづらくなるんですね。そのため、段々とインスリンの単位数が増えていきます。

最終的には、妊娠していないときの1.5倍から2倍になると言われています。そう聞くと、低血糖にならないのかコワくなりますよね…でも、実際は下がらなくてどんどん打っちゃうのが現実です!

ただ、インスリンは急に効かなくなるわけではなく、「あれ?血糖値が思ったほど下がらないな…」というように、徐々に効きづらくなっていきます。

個人差はあると思いますが、大体の目安として私の経験を記載していきます。

妊娠中に目指すHbA1cは5.8!

妊娠を希望していたとき、担当医から「妊娠中のHbA1cは5.8%を目指しましょう」と言われ、「ムリムリムリムリ!」と思った覚えがあります。

普段の生活から5%台なんて考えられませんが、一般的に妊娠すると血糖値は低めになるそうで、血糖値が50、60台になるのはよくあることなんだそうです。

そのため低血糖のボーダーラインも下がります。私も、血糖値が60台でも低血糖の症状はほとんどありませんでした。

リブレを使用する場合、リブレは実際より低めの数値を表示するので、低血糖を示す赤いラインが表示されても問題ないレベルになります。私はリブレで70、80台をキープしていたら「高い!」と担当医に怒られました。

なので、HbA1cが5.8%とかはムリな数字ではありません。私も妊娠中5.8%をキープすることができました。

実際にどのようにHbA1cを低くキープしていたかは下記を参照ください。

妊娠してからの血糖測定方法

私はこれまでリブレで簡易的に血糖測定を行っていましたが、妊娠して担当医に報告したら、きちんと血液で測定するように言われました。

妊娠すると、とりわけ高血糖に気を付けるよう注意されるので、下記タイミングで血糖値を測定していました。

①食前、食後2時間、就寝前
②リブレで血糖値が150以上になったとき

①は担当医から指示されたタイミングで、②は自分で決めたルールです。

妊娠してからの血糖値の目標値は

食前:100以下
食後2時間:120以下

と言われていたため、自分で②のルールを決めました。

血糖値の動き(上がり途中、下がり途中など)があるので、大体の目安として150としました。下部「妊娠中期の血糖値」でも詳細を記載しています。

妊娠初期の血糖値

妊娠初期の血糖値は、一般的に妊娠していないときとそこまでの変化はありません。

ただし、つわりがある場合は食事が思うように摂れなくなるので、その影響で低血糖を起こす可能性があります。

私もつわりで常に胃がムカムカして気持ち悪かったのですが、食べやすいものを選んでちゃんと食事するようにしていました。

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ちなみに、私の妊娠初期のインスリン単位は下記のとおりです。

~妊娠4ヶ月(~妊娠15週)
超速効型:ヒューマログ
朝10
昼6〜8
夜6〜8
持効型:レベミル
昼7
夜4
⇒HbA1c 6.2~6.3
⇒グリコアルブミン 16.9
※グリコアルブミンとは、3週間前からの平均血糖値
※グリコアルブミンの目標値は18.0%未満
※2週に1回、HbA1cとグリコアルブミンを交互に計測

食事内容によってヒューマログの単位数を増減していました。

また、つわりがラクになってきた15週頃から、分食を開始しました。分食については、下記記事を参照ください。

【1型糖尿病で妊娠】分食で血糖値をコントロールしよう

妊娠中期の血糖値

妊娠5ヶ月(16週)頃から安定期に入り、つわりも落ち着いて食事がとりやすくなりました。

同時に、インスリンの効きが悪くなってきたのか、または妊娠初期よりもいろいろなモノが食べられるようになったせいか、特に妊娠22週頃から血糖値が急激に上昇しやすくなった気がします。

この時期のインスリン単位数は下記のとおりです。

妊娠5ヶ月〜6ヶ月(妊娠16週~23週)
超速効型:ヒューマログ
朝10
昼7~10
夜7~10
持効型:レベミル
昼7
夜4 → 6ヶ月の頃から6に変更
⇒HbA1c 6.0
⇒グリコアルブミン 15.1~15.6
妊娠7ヶ月(妊娠24週~27週)
超速効型:ヒューマログ
朝12
昼12
夜12
持効型:レベミル
昼9
夜8
⇒HbA1c 5.8
⇒グリコアルブミン 14.0

高血糖になりやすくなってきたので、いろいろな食事方法を試した結果、食事に少し油を多めに足すと、血糖値の急激な上昇を抑えることができたので、しばらくはそれを実践。
例えば、サラダのドレッシングをオリーブオイルと塩にしたり、脂身が多めのお肉を食べてみたり。

今までそういった血糖上昇が持続する食事は、超速効型インスリンではなく、速効型インスリンのヒューマリンRを使用していましたが、この時期はそれだと血糖値の上昇を抑えることができなかったので、使用しませんでした。

また、血糖管理に関して特に注意したのは、血糖値がピークまで上昇しきらないうちにインスリンを打つことです。

リブレにて血糖値が上昇しているのが分かると、すぐにインスリンで調整していました。具体的には、

①自分が定めた目標範囲を示すライン(グレーの部分、私は80~120に設定していました)を超えて、かつ矢印が斜め上または真上を向いていた場合、すぐに血液で実際の血糖値を測定する。

②150を超えていたらインスリンを打つ。単位数は、そのときの矢印の向きや、食べた内容によって2~4あたりで調整。

※リブレの矢印は、真上を向いていたのがすぐに斜め上になったりと結構変わりやすかったので、穿刺具の用意をする前と、用意した後など、こまめに計るようにしていました。

早め早めに対処することで血糖値がピークまで上昇するのを防ぎ、HbA1cが高くならないように気を付けていました。

高血糖を気にするあまり、低血糖になることもありました。特に、夜中に眠っているときに目が覚めてリブレを計ると50台とか出ると、からだで低血糖を感じなくても心配でした。

そんな時は、面倒ですがいちいち穿刺して正確な血糖値を確認し、その数値によって捕食するかどうかを判断していました。

眠すぎるときは、リブレの誤差やからだの感覚で捕食をしない判断をしていましたが、安心して眠りたいときは穿刺するようにしていました。

妊娠後期の血糖値

いよいよラストスパート。

妊娠後期はインスリン量がMAXになります。

35〜36週がピークで、そこからまたインスリンが効いてくるようになるらしく、インスリン量を徐々に減らしていくことになります。

この時期のインスリン単位数は下記のとおりです。

妊娠8ヶ月(妊娠28週~31週)
超速効型:ヒューマログ
朝 16
昼 10~14
夜14
持効型:レベミル
昼9
夜10
⇒HbA1c 6.1
⇒グリコアルブミン 12.
妊娠9ヶ月(妊娠32週~35週)
超速効型:ヒューマログ
朝 16~18
昼 16
夜 18
持効型:レベミル
昼9
夜12
⇒HbA1c 6.0
⇒グリコアルブミン 10.8
妊娠10ヶ月(妊娠36週~)
超速効型:ヒューマログ
朝 18
昼 12
夜14
持効型:レベミル
昼7
夜10
⇒HbA1c 5.8~5.9
⇒グリコアルブミン 計測前に出産

私は35週の時点ですでにインスリンが効きすぎていると感じたため、担当医に相談して昼と夜の超速効型を4単位減らす方向で進めましたが、それでも血糖値が低くなりやすかったので、昼の時効型を2単位減らしました。

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インスリン量の自己判断での調節

妊娠中は、通院の際にリブレで測定した記録も提出していましたが、基本的には穿刺して測った血糖値の数値を確認してもらってインスリンの単位数を決定していました。

ですが、次の通院までに、前回決めたインスリンの単位数が足りなかったり、逆に多かったりした場合は、頑なに決められた単位数を打つ必要はありません。その場合は、妊娠していないとき同様、自己調整する必要があります。

担当医より、妊娠中はインスリン量を増やすのも減らすのも1単位ではあまり効果がなく、基本的に2単位ずつで調整するよう言われました。

そして、調整した結果インスリンの単位数が変わった場合は、病院に行った際にそれを担当医に必ず報告していました。

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まとめ

妊娠中は、妊娠週数によって血糖値の変動の仕方が異なります。

妊娠週数と自分自身の血糖値の動きを担当医と確認しながら、高血糖や低血糖を防いでいく必要があります。

妊娠していなくても血糖コントロールは難しい課題ではありますが、赤ちゃんを授かったことで自分だけのからだじゃないことへの意識や自覚が、頑張る源になります。

ただし、うまくコントロールできないからといって自分を責めたり、ストレスを溜めたりしないように心がけるのも大切です。

そもそも血糖値をコントロールするなんて難しくて当たり前!コントロールできたら自分をほめるスタンスでいきましょう!!

そしてストレス発散できる方法も見つけておくと、心のバランスが保てますよ。

焦らず着実に血糖コントロールの方法を掴んでいけるといいですね。

KUTANECO

KUTANECO

30歳で1型糖尿病が発病。

これまでの日常に、1型糖尿病というスパイスを加えた毎日を綴ることで、私自身の記録に、また同じ環境の皆さまの参考になればと思います。

その他、趣味に関する内容も随時更新します。

また、インスタグラムにて1型糖尿病での生活をコミック風に共有しているので、併せてご覧ください(↓下のアイコンをクリック)

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