[:ja]自分の結婚式を終えて一息ついていた矢先、友人の結婚式に招待されました。
そこで浮かんだ疑問。
1型糖尿病で、ゲストとして結婚式に出席するときに気を付けることってなんだろう?
今では何回かゲストとして結婚式に出席したことはありますが、1型糖尿病になって初めて招待されたときにいろいろと戸惑いました。
この記事は、そんな1型糖尿病の方向けに、ゲストとして結婚式に出席するときに私が気を付けたことをまとめています。招待されて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
1型糖尿病で、ゲストとして結婚式に出席する場合のリスク
私自身はぜひ出席したい気持ちでいっぱいですが、逆に出席することで迷惑をかけることにならないか不安でした。
例えば、
・どんな内容のメニューが出るか分からないので、インスリン量が判断しにくい
・会場でインスリン注射を打ちづらい
そもそも友人は私が1型糖尿病であることすら知らないので、そこから伝えるべきか否か悩みました。
夫とも相談し、「不安なら欠席すれば」とも言われましたが、今後結婚しそうな友人が多々いるので、今後すべて欠席なんて悲しすぎる…
ということで、事前対策を考えました。
1型糖尿病で友人の結婚式に出席するための事前準備
思い付いた上記3点の不安要素について、解決策を練りました。
まず、事前に準備と言っても自分でどうにかできる内容ではなかったので、友人には私が1型糖尿病になったことを伝えたうえで、下記についてお願いする形となりました。
食事がコース料理なので、インスリンを打つタイミングが難しい
コース料理は1皿ずつ提供されるので、インスリン注射をしてる身としては難しい食事の仕方です。
糖質を摂取する前にインスリンが効いてしまったら危険。
そこで、さっそく友人にお願いしました。
友人にお願いしたこと①
メニューを事前に教えてもらう。
事前にメニューの内容が分かれば、どのタイミングでインスリンを打てばいいか見当がつきます。
例えば、コース料理が
前菜:魚介のカルパッチョ
スープ:コンソメ
お肉のメイン:牛フィレ肉のロースト、季節の野菜添え
口直し:柑橘系のソルベ
お魚のメイン:鯛のムニエル
デザート:ウエディングケーキとプディング
という内容だとすると、前菜とスープはあまり糖質がなさそうなので、お肉のメインかパンが提供されたらインスリンを打つ、という具合に。
もしスープがじゃがいものポタージュとかだと、スープを食べる前にインスリン注射した方が異常な高血糖を回避できるかもしれませんね。
他にも、最後にお赤飯と味噌汁が出たりする場合もあるので、メニュー内容を事前にゲットしておくと、当日慌てずに済むと思います。
どんな内容のメニューが出るか分からないので、インスリン量が判断しにくい
これも、事前にメニューを教えてもらえれば、大体の見当がつくかもしれません。が、もっと手っ取り早くインスリン量を判断できる場合があります。
友人にお願いしたこと②
ひとり分の糖質量を教えてもらう。
しかし、教えてもらえるかは、会場によって異なると思います。
メニューごとに糖質量が分かれば1番ありがたいですが、もし分からなかった場合は、当日自分で料理をみて予測するしかありません。
私も今ではほとんど当日に自分で判断してインスリンの単位を決めています。その際、メニューによっていつも気を付けているポイントがあるので、下記を参考にしてください。
上記に挙げた例で言うと、特に気を付けるメニューは以下の通り。
メインの牛フィレ肉のロースト、季節の野菜添え
→ 牛フィレ肉にはどのようなソースがかかっているか、どんな野菜が添えられているか
メインの鯛のムニエル
→ 上記同様
デザートのウエディングケーキとプディング
→ ケーキやプディングの量、ソースがかかっているか、フルーツが盛られているか
この辺りのメニューが、思いもよらない食材が混ざってたりするので、注意が必要です。
例えば、添えられた野菜がじゃがいも、かぼちゃ、さつまいもなんてことも。実際に、秋頃の結婚式に出席したらイモづくしだった経験があります(笑)
また、デザートがケーキビュッフェだとすると、当日までケーキの種類が分からない可能性があります。
そのため、その時の血糖値と、食べようと思うケーキの種類でその場で判断せざるを得ないかもしれません。
すべての料理が事前に分かれば安心ですが、準備で忙しい新郎新婦にそこまで細かいメニュー内容を聞くのも心苦しいですよね。
もし聞けなかったら、教えてもらったメニューをもとに、他にどんな内容が予想されるかを考え、当日その時の血糖値や、普段の食事をもとに考えて「これくらいかな」と予想して単位数を決めるといいと思います。
ちなみに、デザートがビュッフェだった場合に関して、その時でないとどれだけ食べるか、何を食べるか分かりません。
なので、デザートビュッフェ分は考えずコース料理のみ、あるいはコース料理+最低限食べるであろうウエディングケーキ分のインスリンを打つことをおすすめします。
ビュッフェのことを考えて多めにインスリンを打ったけど、予想外におなかがいっぱいでデザート食べれない、なんてことになると大変です。
ケーキ類はそこまですぐに血糖が上昇しない(はず)のと、デザートが終わったら披露宴もフィナーレなので、打たずに帰宅してからインスリンを後追いで打つ、または二次会の際に打つのもひとつの策です。
なお、本当に心配な方は、アレルギー対応のように、糖尿病の方向けの食事にしてもらえないか聞いてみてもいいかもしれません。
※ただし、対応してもらえるかは分かりません。
※可能な場合、追加料金が発生する可能性があります。
高血糖になっても諦めよう
ゲストとしては結婚式当日の料理は楽しみのひとつですよね。
なのに、インスリンのことを考えるのに必死で美味しく味わえなかった…なんてことになったらもったいないです。
実際、何の食材が使われているか、どれだけの糖質量があるか細かく知るのは難しいことの方が多いので、たとえ思った以上に高血糖になってしまっても、「今日は仕方ない」と思うようにしましょう。
その方が気持ちもラクですし、たまには甘いものを心置きなく食べると気分をリフレッシュすることができますよ。
会場でインスリン注射を打ちづらい
もうひとつ気を付けなくてはいけないのが、インスリンを打つ場所です。
普段、食事をするその場で注射を打つことに慣れていても、結婚式のゲストテーブルで注射を打つのはなんとなく気が引ける方もいるのではないでしょうか。
自分が1型糖尿病であることを同じテーブルの人が知っていればまだ安心ですが、知らないゲストが座っていることもあるし、新郎新婦のご両親が挨拶にまわってきたりもします。
そもそも、女性でドレスを着ている場合は、おなかに打つのは難しいですよね。
※おなかが1番インスリンの効きが早いので、私は食前のインスリンは基本的におなかに打つようにしています。
かといって、お手洗いだと混んでいる可能性もあり、待っている間に会場の人に進行の関係で席に戻るよう言われることもあります。
しかし、やはり事前に友人に依頼することで解決できます!
友人にお願いしたこと③
個室を用意してもらう。
通常、会場には授乳室や着替え部屋などがあるので、それらを使いたい旨を伝えましょう。
授乳室を使うゲストはそこまで多くいないはずですし、着替え用の部屋も、披露宴が始まれば使っている人はほぼいないはずです(他の結婚式に出席するゲストがいる可能性はあります)。
新郎新婦にとっても負担となることではありません。
当日、会場の人に名前を伝えれば通してもらえるよう、手配してもらいましょう。
その他、配慮してもらうと安心な事柄
その他にも、下記事項をお願いすると安心です。
友人にお願いしたこと④
プランナーやテーブル担当に1型糖尿病であることを伝えてもらう。
これまでのお願いを会場側に伝えてもらう関係上、ゲストに1型糖尿病がいることは把握されると思いますが、念のため「会場側に伝えてほしい」とお願いしておくと、何かと安心です。
過去に私が最も安心したのは、当日受付を済ませたら会場の人から「何か必要なものがあればお声がけください」と声をかけられたことです。
気にかけてくれていることが分かると気持ち的にも安心ですし、何かお願いしたいことがあったときも声をかけやすいです。
万が一低血糖になっても対処できるよう、飲み物をお茶系とジュースの2種類ほしいときでも、恥ずかしがらず一度に両方ためらわず注文できました(笑)
友人にお願いしたこと④
隣に座るゲストを配慮してもらう。
披露宴の席は当日にならないと分からないので、何かあったときに隣の席の人を驚かせてしまうんじゃ、なんて心配してしまうかもしれません。
もし友人何名かと出席するようであれば、両隣の席を安心できる友人にしてもらうと気持ちがラクになります。
ただ、ゲストの配置は新郎新婦にとって難しい問題だったりします。
同じゲストテーブルに知らないゲストも座る可能性があるので、出来る範囲でのお願い、というレベルにしておきましょう。
私は、ひとつのゲストテーブルに全員知っている友人が座ると分かった場合に、事情を知っている友人などを隣に配置してもらうようお願いしました。
自分で準備しておくこと
当日に向けて、自分でも準備できることはあります。
リブレを付けるタイミング
free styleリブレ(1型糖尿病の心強い見方:はじめての free style リブレ)を使っている場合は、センサーを付けるタイミングが重要です。
付けて2、3日経たないと正常な反応が現れない場合もありますし、センサーが切れる2、3日前も数値がブレる可能性があるようです。
安定した数値で計れるよう、日にちを計算してリブレを付けることをおすすめします。
ブドウ糖を忘れない
会場のクロークに預けないカバンには、必ずブドウ糖を2、3粒は仕込んでおきましょう。
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もし挙式中に低血糖になっても、ブドウ糖ならすぐに口に含みやすいです。
結婚式では小さめのカバンを持つことになると思うので、ジュースなどではなく、いつでも食べられるブドウ糖を入れておきましょう。
血糖値は高めを意識する
結婚式は日常と異なる動きや食事をするので、自分のタイミングで捕食したり、ということが難しいです。
そのため、低血糖を起こさないよう血糖値は気持ち高めに保つようにすると安心です。
結婚式を欠席することも大事な決断
今では友人の結婚式に出るのは慣れましたが、出席するにあたりどうしても新郎新婦へ1型糖尿病であることを伝える必要があり、上記のお願い事項が発生します。
(もちろん、こういった方法をしなくとも出席できる方は問題ナシです)
とても親切に細かく対応してくれる人もいれば、そもそもの準備に追われてる方も少なくありません。
なので、私は結婚式に誘われた際、「1型糖尿病であるためにお願いすることがいくつかあるけど、それでもよければ出席したい」と伝えています。
そう伝えて断る新郎新婦はあまりいないと思いますが、そう伝えておくだけでしっかりと配慮してもらえるので、こちらとしても安心して出席できます。
ただ、それでも1型糖尿病がどういう病気か理解されず、お願い事項を伝えてもきちんと理解されなかったり、当日自分が慌ててしまうこともありました。
そうなるとやはりツラい気持ちが溢れてきてしまうので、自分のメンタルと向き合って、結婚式に出席するか欠席するかを判断することも重要だと思います。
血糖値を正常に戻す手はありますが、メンタルを元通りに戻すのはそう簡単ではありません。
結婚式は新郎新婦だけでなく、ゲストも嬉しい、楽しい気持ちで出席したいものです。
ムリせず、違う形でお祝いすることも選択肢のひとつであることを、検討してみてください。
以上が、私がゲストとして結婚式に出席する際に意識していることです。
友人には、上記に挙げたこと全部を毎回お願いしているわけではありません。ですが、少なくとも下記2点はお願いしています。
①メニューを事前に教えてもらう
③個室を用意してもらう
1型糖尿病としてまだ完璧に慣れたわけではないので、お願いできることはお願いしています。
自分が安心できる環境を整えておくと、自分の心配をせず落ち着いた気持ちで友人の結婚式を祝うことができます。
ゲストとして結婚式に招待されて悩んでいる方はぜひ、参考にしてみてください。[:]