まわりに目を向けて

1型糖尿病になって、周りの人々の優しさに改めて実感することが多々あります。

インスリンも自分で打てるようになり、身体の不具合を感じなくなった頃、家族や友人がお見舞いに来てくれました。

父は糖尿病に関することを調べ始めてくれ、母は平日予定の無い日は毎日、私の着替えやタオルなどを持ってきてくれました。

義両親もお花を持ってお見舞いに来てくださいました。今後一生、医療費や手間がかかるであろう者を嫁になんて、と困り顔になるのも仕方ないかも、、と内心ひやひやしていましたが、そんな心配はまったく無く、とても優しく心配してくださいました。

会社の同僚もお見舞いに来てくれて、糖質に関する料理本やマンガ、「私のどうぶつの森を育ててください!」とDSも持ってきてくれました。

仲の良い友人からも、たまたま入院中に連絡が来て、忙しいなか時間を見つけてお花を持ってきてくれました。

そして何より、夫と会える日は朝から心待ちにしていました。
夫は平日、仕事が忙しくても、来れるときは仕事後に、週末は必ず来てくれました。
私が入院中に暇を持て余さないように、マンガやDSとそのソフトをたくさん持ってきてくれ、おかげで私は毎日宿題のようにゲームをしたり、マンガを読みあさり、暇どころか忙しい日々を送りました。

久々に二人きりで過ごす時間は、私にとって何よりも元気を補充できる大切な時間でした。
「すぐに良くなるよ」
「お金のこと心配しないでね」
「これから二人で頑張ろう」
そう言ってくれる人と一緒になれて、本当に良かったと思います。
帰りを待ってくれている人がいることの嬉しさをかみしめつつ、それを糧に入院生活を送っていました。

いつも一緒にいる人たちと、いつもとは違う場所、違うシチュエーションで会うと、普段とは異なる会話をすることができます。
周りの人たちの助けや応援がとても励みになり、また、そのありがたみを強く感じます。
自分が大切な輪の中に存在することを実感したことで、退院後はもらった応援に応えるべく、感謝とこれからもよろしく、という気持ちを少しずつ伝えていけるようにしよう、そう思うようになりました。

病気における不安や孤独な感情を取り除くことは難しいですが、それだけを考えていては目の前が真っ暗になるばかりです。視点を変えて、いま目の前にいる人々との時間を通して、もっと素敵なものが自分にはあるのだと気付くことで、かけがえのない大切な気持ちを得ることができると思います。

病気になったからこそ得られるもの、発見することが必ずあるはずです。それによって病気に対する不安以上に、自分の中で大切な何かを得ることの方が、大事だと思うのです。

入院中は、それを気付かせてくれる時間でもあるのかもしれません。

KUTANECO

KUTANECO

30歳で1型糖尿病が発病。

これまでの日常に、1型糖尿病というスパイスを加えた毎日を綴ることで、私自身の記録に、また同じ環境の皆さまの参考になればと思います。

その他、趣味に関する内容も随時更新します。

また、インスタグラムにて1型糖尿病での生活をコミック風に共有しているので、併せてご覧ください(↓下のアイコンをクリック)

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